切れ痔(裂肛)
切れ痔(裂肛)
排便時に肛門に走る鋭い痛み、トイレットペーパーに付着する出血…。これらは「切れ痔」、医学的には「裂肛」と呼ばれる病気の典型的な症状です。肛門の皮膚は非常にデリケートで、一度傷つくと再発を繰り返しやすいという特徴があります。
千葉市花見川区の「いまにし医院」では、内視鏡専門医が患者様の症状に合わせた適切な治療法をご提案し、切れ痔の悪循環を断ち切るお手伝いをします。当院は、女性医師による女性専用外来(レディースデー)も実施しており、デリケートな症状も安心してご相談いただけます。
切れ痔は、①硬い便の排出や下痢、②アルコールなど刺激物の摂取、③排便時のいきみなどによって、肛門の組織(肛門上皮)が物理的に切れてしまった状態です。肛門上皮には知覚神経が豊富に通っているため、出血は少量でも強い痛みを伴うことがあります。
切れ痔は、その進行度合いによって「急性期」と「慢性期」に分けられます。
便秘などによって硬くなった便を無理に出そうとした際に起こりやすい状態です。排便時の鋭い痛みと、トイレットペーパーに付着する程度の少量の出血が主な症状です。この段階であれば、便通を改善するなどの適切な処置で比較的短期間での治癒が期待できます。
急性期の切れ痔を繰り返すと、同じ場所が何度も切れて傷が深くなり、治りにくくなります。この状態が慢性期です。
潰瘍の形成
傷が深い「潰瘍」に発展し、その傷口の内側に「肛門ポリープ」、外側に「見張りいぼ」と呼ばれる皮膚の膨らみが形成されます。
肛門狭窄(こうもんきょうさく)
さらに症状が進行すると、傷口の組織が硬くなり(瘢痕化・線維化)、肛門の柔軟性が失われ、肛門自体が硬く狭くなる「肛門狭窄」を引き起こすことがあります。①肛門括約筋の硬化・緊張による狭窄と②肛門組織の欠損による狭窄とがあります。
この肛門狭窄が、切れ痔の悪循環を生み出します。狭くなった肛門から硬い便を無理に出そうとすると、さらに傷口が広がり、治りが悪くなります。また、排便の痛みを恐れて便を我慢することで便秘がさらに悪化するという負の連鎖に陥ります。
当院では、問診で症状や排便の状態を確認した後、肛門を直接観察する視診や、指を挿入する指診によって、裂け目の位置や深さ、硬さなどを確認します。必要に応じて、大腸内視鏡検査を行うこともあります。
切れ痔の治療は、その進行度合いによって大きく異なります。
急性期の切れ痔は、まず手術を行わない保存療法が基本です。
薬物療法
患部の炎症や痛みを和らげるための軟膏や、便を柔らかくする飲み薬などを使用します。
生活習慣の改善
便秘や下痢を改善するための食事指導や禁酒、温浴による血行促進指導を行います。慢性期に移行し、肛門狭窄や見張りいぼ、肛門ポリープが形成されている場合、その症状によっては手術が必要となることがあります。
裂肛切除術
深く傷ついた部位や、肛門ポリープ、見張りいぼを切除します。
側方内括約筋切開術(LSIS)
肛門括約筋の緊張・硬化を伴うものに対し筋切開を加えることで肛門を広げる手術です。
皮膚弁移動術(SSG)
肛門上皮や皮膚組織が欠損してしまっている狭窄に対して行われる手術です。線維化・瘢痕化した皮膚を切除した後、近くの健康な皮膚を移動させて移植することで、肛門の広がりを改善させ、悪循環を断ち切ります。
切れ痔の再発を防ぐためには、根本原因である便通を整えることが最も重要です。
食生活の改善
食物繊維が豊富な野菜、海藻、きのこ類などを積極的に摂取し、便を柔らかくするよう心がけましょう。
アルコールや刺激物の節制
肛門を直接傷害させるものです。禁酒や節制を心がけましょう。
水分補給
十分な水分を摂ることで、便が硬くなるのを防ぎます。
排便習慣
便意を感じたら我慢せず、無理にいきまないことが大切です。
清潔と温浴
排便後は、温水洗浄便座やシャワーで優しく洗い、清潔を保ちましょう。温浴は、血行を改善し、傷の治りを促進する効果があります。
当院では、デリケートな部位の悩みであっても、患者様が安心してご相談いただけるよう、毎週金曜日に女性医師が担当する「女性専用外来(レディースデー)」を実施しています。一人で抱え込まず、早めに専門医にご相談ください。
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